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T.Sさん

2016年度卒(博士) 

農薬会社

 こんにちは。2016年度博士卒のT.Sです。初めての五味研究室卒の博士ではあるのですが、私が五味研に入った理由は全く立派なものではありませんでした。

  分属前の私は、動物/植物/微生物なら植物がいいなという漠然としたイメージと、このままの感じで過ごしていてもダメな気がするという若干の危機感(でも特に何かすることもない)を持っていました。そんな中いくつかの研究室訪問を行い、五味先生の元へも話を聞きにいくと、この研究室って大変そう!ということがよくわかりました。ですが研究の話をしている先生と先輩はとても楽しそうでした。それで、ここに入ったら楽しめそうな気がする、一生懸命になれる気がすると思って研究室に入りました。 

 そこでいただいたテーマは、「ジャスモン酸誘導性揮発物質のイネ病害抵抗性における役割」でした。ごく簡単に言うと植物ホルモンであるジャスモン酸を処理することでみられる病害抵抗性に揮発性物質(香り物質)がどのように関与しているのかという研究です。私が先輩から引き継いで初めて担当した香り物質は、病原菌そのものには抗菌作用はないけれど、植物に作用することで抵抗性を強くするという面白い特徴を持っていました。一般的に想像されるような植物病理学とは少し違ったアプローチの研究でしたが、だからこその面白さ(前例がないことなど)がありました。五味研究室には揮発性物質だけでなく、ジャスモン酸シグナルについての研究もあり、ひとつひとつはバラバラの研究でも合わせると大きなことが明らかになっていくというの点も面白かったです。

 

 いただいたテーマに沿って研究したり、それ以外の活動(圃場作業や何気ない普段の会話など)をしたりすることで、わからないことをわかるようにするためにはどうすればいいのか、研究とはどうすることなのかを学ぶことができました。五味研究室では、自分が何をしてきたのか、それによって自身が何を得たのか、そしてそれを何に還元できるのかをしっかり話せるような経験ができます。私は大学でなにをしていたのかを面接などで笑って話すことができました。そのおかげで私は研究職につくことができたのだと思います。

 

 農薬企業の研究職につくのに大学院卒である必要はないと説明会などでは言われるかもしれません。確かにそれによって決めるわけではないのでしょうが、実際に就職してどうなのか見てみるとやはり院卒の方ばかりです。物事をどのように考えるか、一つのゴールに向かうためチームの一員としてどう動けるのかを理解していることが重要だからだと思います。そうなると大学だけの短い研究期間では中々身に着けられない。それで結果的に院卒になるのかなと思います。

 

 五味研究室はそれらを学べる絶好の場です。真剣にやっていることが分かれば五味先生や研究室の学生は応えてくれます。研究職を真剣に目指したい人、なにかに一生懸命になりたい人はぜひ一度訪問してみてください。

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